健康を脅かす温暖化、COP28で医療強化の宣言 120カ国が賛同
深刻化する地球温暖化は人々の健康を脅かしている。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれている国連の気候変動会議(COP28)は3日、初めて各国の保健大臣を招待し「ヘルスデー」と位置づけた関連会合を開いた。新型コロナの教訓などをいかし、医療提供体制の強化などを進める宣言に日本など約120カ国が賛同した。
宣言には医療分野から出る温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を減らすことや、資金調達の必要性なども盛り込まれた。会合には日本から浜地雅一厚生労働副大臣が参加した。
温暖化は熱中症患者を増やすだけでなく、感染症の病原体を運ぶ蚊の生息域を広げたり、洪水や山火事などの災害でけがをする人が増えたりすると指摘されている。こうした変化に対応するための医療提供体制の強化が必要とされる。ただ、気候変動のリスク評価機関「XDI」が2日に公表した報告書によると、ただちに化石燃料を減らさなければ、今世紀末までに世界の12分の1の医療機関が気象災害により、一部またはすべての機能を停止するという。
世界医師会など世界の約4500万人の医療従事者は、化石燃料の段階的廃止が必要だとしてCOP28の議長に要望書を出していた。
WHO「気候危機は健康危機だ」
気候変動が健康に与える影響…
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