コロナ禍以降に使い切れないほど肥大化している国の基金をめぐって、約190ある事業のうち、少なくとも2割にあたる43事業で、成果の数値目標が設定されていないことが分かった。無駄遣いの温床になる可能性がある。政府は基金予算を決める際に、所管する省庁に数値目標を策定・公表させる検討に入った。
内閣官房は、各省庁に成果目標を数値で示すよう求めているが、必ずしも守られていない。朝日新聞が9~10月に各省庁が公表した資料を分析したところ、43事業で数値目標がなかった。これらの2022年度末の基金残高は、合わせて約5兆円にのぼる。
例えば、文部科学省が所管する、破壊的イノベーションの創出を目指す「ムーンショット型研究開発プログラム」は、研究成果を生かした製品を市販する時期や、その販売額といった目標が示されていない。「失敗を許容しながら挑戦的な研究開発を推進するため」(戦略研究推進室)だと説明する。
残る約140の事業では数値目標は掲げているが、成果を管理するための「物さし」としての妥当性が疑わしいものも少なくない。
複数年度にまたがって支出で…
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