大阪万博、誘致は政権頼み? 松井知事、菅長官に協力要請 経済界慎重

宮崎勇作
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 2025年の国際博覧会(万博)誘致を目指す大阪府松井一郎知事(おおさか維新の会代表)が14日、安倍政権に対し、正式に協力を要請した。「国家プロジェクト」に位置付けてもらい、誘致に慎重な地元経済界を動かす狙いがある。

 松井氏はこの日、首相官邸で菅義偉官房長官と会談し、「大阪万博から55年後の25年に万博を開催したい」と表明。健康や長寿をテーマとする方針を説明した。誘致には閣議了解が必要となるが、菅氏は「検討する」と応じたという。

 万博誘致は昨年11月の知事選での公約。だが、地元経済界には「投資効果が期待できない」といった慎重論が根強い。府は府域への経済波及効果を再試算し、約2・9兆円から約3・3兆円に上方修正。担当者もこうした試算が入ったパンフレットを持ち、府内企業を回っているが、反応は冷ややかだという。

 そこで松井氏は今回、政権の後押しを得る戦略を立てた。先月19日、橋下徹大阪市長とともに安倍晋三首相と会談した際、首相が「2020年の東京五輪の後も考えなければならない」と関心を示したことがきっかけだ。政権の成長戦略に組み込まれれば、地元経済界も無視できなくなるという計算がある。

 25年の誘致競争のライバル候補はパリやロンドンなど。パリは4月に立候補すると見られている。競合国はその半年以内に手を挙げなければならないルールで、府は10月ごろが立候補の期限と想定する。地元経済界と基本構想をまとめる必要があり、松井氏は3月までに立候補するかどうかを判断する方針だ。

 松井氏は会談後、記者団に「国家プロジェクトとしてやろうという国の意思表示がはっきり出れば、大阪の経済界も参加してもらえると思う」と語った。宮崎勇作

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