第1回「死のジャングル」越え米国目指す移民 2歳児連れた母が見た光景は

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バホチキート=軽部理人
【動画】米国を目指し「死のジャングル」と呼ばれるダリエン地峡を抜けた移民たち=軽部理人、ラファエル・エルナンデス撮影
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 強い日差しが、ゴツゴツした岩だらけの地面を照らす。40度近い気温の中、疲れ果てた人たちが、小さな集落を目指して歩いてきた。

 中米パナマ。くねった弓のように横に広がる国土の西はコスタリカ、東はコロンビアと接する。最東端の国境にあるのが、南米から陸路で北に向かう移民が必ず通る「ダリエン地峡」だ。「死のジャングル」と呼ばれる地峡を越えることができた人が連日2千人近く、約5キロ離れたバホチキートの集落にたどり着く。

 「2日間何も食べておらず、一番下の子は下痢が止まらない。どうすればいいのか」

 9月27日。夫と3人の子どもとバホチキートにやって来たベネズエラ人のジョアンドラ・カンセロさん(34)は、泣きながらそう訴えた。

 生活苦からベネズエラの首都カラカスを発ったのは9月15日。バスや徒歩、小型ボートでコロンビアの町カプルガナまで行き、パナマとの国境沿いに広がるダリエン地峡を5日間かけて渡った。

 全長60キロの地峡は、想像以上の過酷さだった。

 世界各地から米国に密入国しようと人が後を絶ちません。その最前線の一つが、南米から米国に向かう際に必ず通る「死のジャングル」と呼ばれるダリエン地峡です。なぜ人々は命を懸けて地獄のような道を進むしかないのか。現地から報告します。

腐敗した遺体、あちこちに

 子どもの背丈ほどもある流れ…

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この記事を書いた人
軽部理人
国際報道部記者|内勤・業務担当
専門・関心分野
中南米の全分野、米国政治や外交、社会
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    田中宝紀
    (NPO法人青少年自立援助センター)
    2023年11月28日6時0分 投稿
    【視点】

    貴重なレポートをありがとうございました。動画もあるので、ぜひたくさんの人に見ていただきたいです。記事では彼らのことを「移民」と呼んでいますが、実質的には「難民」に近い状況にあると感じます。困窮状態が放置され、犯罪がまん延する自国からアメリカ

    …続きを読む