宮崎駿はまだ絵本版「もののけ姫」をアニメ化したい?(小原篤のアニマゲ丼)

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 おや、こんなところに大山猫が!

 宮崎駿さん直筆のイメージボード56枚を並べた三鷹の森ジブリ美術館「君たちはどう生きるか展」を見て驚きました。絵本版「もののけ姫」の大山猫らしき絵があったのです。背負ったカゴに収まってるのが「三の姫」かどうかはラフすぎて分からず。「君どう」に大山猫を出す構想があったのか、絵本版「もののけ姫」のアニメ化を夢想してたのか、ただのラクガキか。宮崎さんはまだ「もののけと姫」の物語に愛着がある。同展企画・監修の宮崎吾朗さんは大山猫を見せたくてこの1枚を選んだ。推測できることはこの二つです。

 絵本版「もののけ姫」は1993年に出版されたもので、元々は80年に映画の企画として描いた一連のイメージボードでした。簡単に言えば「美女と野獣」×黒澤明「蜘蛛巣城」(or手塚治虫「どろろ」)。もののけの大山猫と武将の父が交わした約束により大山猫に嫁がされた三の姫が、悪霊に心を奪われ暴君と化した父を救おうとし、姫の一途さに打たれた大山猫も力を貸すという戦国冒険ファンタジー。粗野だが純情なもののけ、やさしく凜(りん)とした姫。いま読んでも面白いです。

 「紅の豚」(92年)の次の企画として鈴木敏夫プロデューサーが映画化を提案、しかし難航します。絵本のあとがき「堂々めぐりの顚末(てんまつ)」で宮崎さんは「最大の問題は、物語の世界が、従来の映画や民話からの借物であり過ぎる点でした」と振り返っています。美女と野獣モチーフは「紅の豚」にも入ってますしね。

 こりゃいかんと企画の方向を…

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