美祢線の利用促進話し合うWGが初会合 JRは「あり方も議題に」

向井光真
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 運休が続くJR美祢線について、復旧後の利用促進策を検討するワーキンググループ(WG)の初会合が10月30日、美祢市役所であった。これまでの利用状況や利用促進策の取り組みを関係者が確認した。JR西日本は一方、乗客減が将来も続くとの見方を示し、地域の公共交通のあり方についても議論の対象に加えるよう改めて提案した。

 WGは、路線の復旧・再開を見据え、利用促進策を実務者らで話し合う目的でJR美祢線利用促進協議会(会長=篠田洋司美祢市長)内に設置された。初会合に県や美祢、長門、山陽小野田の沿線3市の担当者、JR西日本広島支社の木村善栄・地域交通課長(山口担当)ら15人が参加した。冒頭を除き、非公開だった。

 JR西は、美祢線の2022年度の輸送密度(1キロあたりの1日平均利用者数)はコロナ禍の影響もあって377人で、1987年と比べて79%減ったとのデータを示した。列車本数も上下計27本から計18本に減らしているが「減便で不便になったから客が減ったのでは、と言われるが、本数は極力維持して利用状況に合わせて徐々に減便してきた」と説明。「今後も沿線人口の減少が見込まれ、美祢線の利用も減少傾向が続くとみている」との認識を示した。

 一方、WG事務局はテレビドラマと連携した観光列車の運行やマイレール運動など、2011年以降の利用促進策を紹介。「なかなか望ましい結果にはならなかった」と報告した。

 会議後、JR西の木村課長は「協議会の会長である美祢市長了解のもと、様々な議論を進めることがWGの大前提。当社としての意見を述べた」と取材に話した。WGリーダーの中島紀子・美祢市地域振興課長は「WGは復旧が前提で、利用促進策の検討が第一」と強調しつつ、「様々な立場から参画して頂いており、同じテーブルに着いて協議していく」と述べた。

 次回の会合から、山口大学大学院創成科学研究科の榊原弘之教授を招き、具体的な利用促進策を各機関が持ち寄って議論していくという。(向井光真)

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