地球と人間の健康の「プラネタリーヘルス」 気候変動と感染症はいま
コーディネーター・竹下由佳
地球温暖化によって、マラリアなどの感染症リスクが高まっている。媒介する蚊の生息域が広がることなどが理由だ。地球会議2023の「プラネタリーヘルス最前線 気候変動と感染症のいま」と題したセッションで、大学、企業、市民社会の立場から現状や対策について意見を交わした。
長崎大学プラネタリーヘルス学環長の渡辺知保教授は冒頭、プラネタリーヘルスについて解説。気候変動や大気汚染など地球規模の課題は人間の活動に起因し、人間の社会や健康に影響を与えている。地球の健康と人間の健康を結びつけて議論し、持続可能な社会を目指すものだと説明した。
感染症リスクについては、気候変動や土地開発などによって生態系が壊れ、新たな病原菌や、病原体を持つ媒介動物が人間に近づく可能性が指摘されている。渡辺さんは「生態系は人間と病原体の間のバッファー(緩衝材)にもなっている」と述べた。
認定NPO法人マラリア・ノ…
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