「アラブを敵に回せない」角栄が訴えた中東依存は再び強く 対策は?

有料記事

土居新平 伊沢健司

 ちょうど50年前、中東の石油が手に入らなくなるかもしれないという恐怖が世界を襲い、物価高や不況が広がりました。高度経済成長を続けてきた日本の転換点にもなった「第1次石油危機」です。日本はどう対応したのでしょうか。

 資源が乏しい日本にも、半世紀前の石油危機(オイルショック)は大きな教訓を残した。特定の地域や資源への過度な依存をどう避けるのか。今に通じる難題だ。

 「中東の安い油を大型船で運び、石油製品をつくる。日本の国際競争力の原点、高度成長の原動力はそこにあった」

 石油危機に直面した田中角栄内閣で首相秘書官を務め、のちに通産事務次官、アラビア石油社長を歴任した小長啓一氏(92)はそう語る。

 燃料を石炭から石油にシフトさせ、その8割近くをアラブ諸国からの輸入に頼っていたところに、石油危機が襲った。

 アラブの友好国以外には、石油が供給されなくなるのか――。

 危機の渦中の73年11月…

この記事は有料記事です。残り1243文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トク】締め切り迫る!記事が読み放題!スタンダードコース2カ月間月額100円!詳しくはこちら