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半導体基金に3.4兆円要求 経産省、ラピダスやTSMCの補助金で

有料記事膨張予算

大日向寛文

 岸田政権が月内にとりまとめる経済対策をめぐり、経済産業省が半導体支援に計3・4兆円の基金予算を要求していることが、わかった。文部科学省も1兆円の宇宙開発基金の新設などを求めており、各省庁による要求額は合わせて5兆円を超える。コロナ禍で始まった基金予算の膨張が止まらない。

 複数の政府関係者が明らかにした。経済対策の裏付けとなる今年度補正予算案に反映させたい考えだ。ただ、中長期に必要な事業は本来、補正予算でなく、当初予算に計上するものだ。物価高が生活を直撃するなかで、大企業への巨額支援の妥当性が問われる。

 折衝で経産省が財務省に求めているのが、半導体の生産・開発支援などのために、すでに設けられている三つの基金の増設だ。「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発基金」と「特定半導体基金」、「安定供給確保支援基金」になる。

 具体的には、次世代半導体の国産化を目指す国策会社「ラピダス」に6千億円弱、半導体を受託生産する世界最大手「台湾積体電路製造」(TSMC)の日本第2工場に9千億円、ソニーのイメージセンサーなどの従来型半導体にも7千億円強の補助金が、それぞれ必要だという。

 要求が実現すれば、今年度補正の半導体関連予算は3・4兆円となり、昨年度補正(1・3兆円)の2・6倍となる。

 トヨタ自動車など企業8社が…

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