万博工事「超法規的措置を」 自民会合で発言、残業規制の除外求める

有料記事近づく 大阪・関西万博

川辺真改

 自民党の大阪・関西万博推進本部(本部長・二階俊博元幹事長)が10日、党本部で開かれ、万博パビリオンの建設を時間外労働の上限規制の対象外とするよう求める意見が自民議員から上がった。同様の要望は、主催する日本国際博覧会協会(万博協会)も政府に求め、建設業界などから批判を浴びた経緯がある。

 この日の推進本部では、2025年開催の万博のパビリオン建設が遅れている問題が取り上げられた。出席議員らによると、「人繰りが非常に厳しくなる。超法規的な取り扱いが出来ないのか。工期が短縮できる可能性もある」「災害だと思えばいい」といった意見が出たという。

 推進本部事務局長の松川るい参院議員は会合後、記者団に残業規制の適用除外を求める意見があったのかを問われ、「非常事態であるから、残業時間規制についても必要であればとっぱらうということも考えるべきだという意見は多かった」と説明した。政府側は検討を否定したという。

 労働基準法では、19年に始…

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    明石順平
    (弁護士・ブラック企業被害対策弁護団)
    2023年10月11日12時15分 投稿
    【提案】

    残業時間規制は人命を守るために存在する。 人命より優先されるべきものなどない。 人命を犠牲にしなければ間に合わないのなら、万博自体を中止にすべきである。

    …続きを読む
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    首藤若菜
    (立教大学教授=労働経済学)
    2023年10月12日10時22分 投稿
    【視点】

    万博の開催が危ういという理由で、残業規制を適用除外することは、論外だと思います。どうしても人手を集める必要があるならば、市場原理に従えば、賃金を上げるしかありません。法律を遵守しながら、どうすればできるかを考えよと、政府は使用者に求めてきた

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