ふるさと納税返礼品「熟成肉」「精米」厳格化→泉佐野「狙い撃ちだ」

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田中章博
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 大阪府泉佐野市は、ふるさと納税の返礼品から「熟成肉」と「精米」を外した。返礼品にするなら原材料は同じ都道府県内産に限る――。この二つについて、総務省がそんな新ルールを10月から始めたからだ。市にとって、苦渋の選択だった。

 9月25日。千代松大耕市長が報道陣の取材に応じた。「悔しい。脅しみたいな文言があった。事業者さんがいるので、(ふるさと納税制度からの除外は)避けなければならなかった。従わざるを得ない」と語気を強めた。熟成肉と精米を、ふるさと納税の返礼品から取り下げることを、総務省に伝えた日のことだ。

 新ルールは6月下旬に発表された。総務省は返礼品を「地場産品」とし、その基準を示している。10月からの新ルールでは、「食肉の熟成」と「玄米の精白」を名指しし、「その地方公共団体が属する都道府県内で生産された原材料に限る」とした。つまり、泉佐野市で熟成して製造した肉でも、有名な宮崎や鹿児島など他県産の肉を使っていた場合は返礼品とは認められない、というルールだった。

 これは泉佐野市にとって大きな打撃だった。

 市が2022年度に集めたふるさと納税の寄付金は、全国5位となる137億円。うち熟成肉を返礼品とする分は28億円で、全体の2割を占めていた。精米は4・5億円だった。

 市によると、大阪府を通じて市は総務省に質問を送った。返礼品をめぐる質問と回答の往来が続いた9月22日、総務省からメールと電話で連絡があった。新ルール開始まで、あと1週間ほどまで迫っていた。

 「このまま提供する予定なら…

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