アマゾン配達員、労災認定された「むちゃな働き方」骨折しても会社は

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北川慧一
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 ネット通販「アマゾン」の配達を担うフリーランスの男性運転手が業務中にけがをしたことについて、横須賀労働基準監督署労働災害と認定した。本来ならフリーランスとして、働く時間などを自由に選べる立場だが、実態は会社から細かく指示を受ける「労働者」と同様と判断された。どのような働き方だったのか。

 アマゾンの配達を担う60代の男性運転手が配達先でけがをしたのは、昨年9月のことだ。配達先の個人宅で、外階段の2階部分から転落した。

 「急いで封筒をポストに入れようとしたら、足が滑った」

 男性は腰の骨を折る重傷を負った。手術や入院はしなかったが、2カ月ほど働けず、その間は仕事の収入はゼロだった。

 男性はアマゾンの荷物を配達する運送会社から仕事を請け負うフリーランスとして働いている。

 男性によると、朝8時ごろに契約する運送会社の営業所で荷物を受け取り、夜9時ごろに配り終えるまでほぼ一日中、配達に追われる。日当は1万8千円。以前は1日120個ほどだった荷物は5割ほど増えたが、報酬は変わらない。

 事故があった日も配達を終えるまで残り1時間ほどで、荷物はまだ十数個残っていた。「頑張れば配り終えられる」。そんな思いで足取りを速めたが、事態は暗転した。

「このままでは死んでしまう」

 事故後、男性は運送会社に「…

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