「エンジ色に染めたい」全国大会の客席 立命館大吹奏楽部の夢かなう(My吹部seasons)

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 立命館大学応援団吹奏楽部の部長で、クラリネット担当の4回生・都築芙実は、8月19日に開かれた関西吹奏楽コンクールでステージから目にした「風景」が忘れられない。自由曲《メトロポリス1927》(ピーター・グレイアム)の最後の音が響いたとき、確かに見えた。

 「ホールが立命館のスクールカラーのエンジ色に染められた!」

 小学校4年でマーチングバンド部に入って楽器を始め、中学で吹奏楽部に入った。高校は地元・愛知県安城市の強豪である安城学園高校に進んだ。全日本マーチングコンテストには3年連続で出場して金賞も受賞したが、夢だった全日本吹奏楽コンクールには出場できず、東海大会止まりという悔しさを味わい続けた。

 しかし、今年の関西大会の演奏後は「絶対全国大会に行ける!」という確信があった。そして、その確信は現実となった。

 楽器を始めて10年余り。大学生活最後の年に、ついに芙実の夢がかなったのだ。

        ♪

 大阪府茨木市にある立命館大学茨木キャンパス。2015年に建てられたばかりの真新しい施設の中に、立命館大学応援団吹奏楽部が練習で使用する音楽練習室やグランドホールがある。

 文学部に所属する芙実は京都の衣笠キャンパスで講義を受けており、週5日の部活の練習日には1時間弱かけて茨木まで通っている。地元を離れて京都で一人暮らしをしているため、掛け持ちで二つのアルバイトもしているが、そんな生活に充実感を覚えている。

 大学生活がこんなに楽しいものになるとは思いもしなかった。

 高校時代は涙と汗を流しながら連日部活に打ち込んだが、正直言うと大学の吹奏楽部には魅力を感じていなかった。保育士を目指して専門学校に行こうと思っていたが、高校の先生に勧められ、立命館大学に進んだ。

 「大学の吹奏楽部はどんな活…

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