新幹線からは外れたけど・・・肥前鹿島駅でイベント

神谷裕司
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 西九州新幹線が開業して1年の23日、佐賀県内の武雄温泉駅と嬉野温泉駅など沿線各駅で記念のイベントがあり、祝賀ムードに包まれた一方、並行在来線となったJR長崎線沿線の鹿島市太良町では、長崎線の本数を維持しようと、利用促進の催しが開かれた。

 JR長崎線の肥前鹿島駅(鹿島市)では、長崎線の利用促進などをめざして「公共交通体験フェスタ」が開かれた。やはり新幹線のルートから外れた、隣の太良町との広域連携事業の一環。肥前鹿島―多良間に無料貸し切り列車が走り、家族連れらが“小さな旅”を楽しんだ。

 市内のタクシー事業者から借りたという「グリーンスローモビリティー」(低速の電気自動車)による駅周辺の周遊や、市内循環バスの無料運行などもあった。ヤギやモルモットなどに触れる「移動動物園」も設けられ、子どもたちに大人気だった。

 新幹線開業後、肥前鹿島駅発着の在来線特急の本数は大きく減った。隣の白石町から長女(4)を連れて来た秋月怜子さん(39)は「出身の長崎市に帰るのに、この駅から特急を使うが、本数が減って不便になりました」と嘆く。

 市企画財政課の山口徹也課長は「今の子どもたちが大人になっても列車やバスを使うように、まずはフェスタで体験してもらった」と話した。(神谷裕司)

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