構内の時計にホームの時刻表…令和の駅から消えていくアナログな品々

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臼井昭仁
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 コロナ禍や少子化による経営環境の厳しさを背景に、鉄道の駅のホームから時刻表や時計が静かに去りつつある。コスト削減のほか、スマートフォンなどで代用できることが大きな理由だが、利用者からは戸惑いの声もあがる。

 名古屋・栄の市営地下鉄桜通線・久屋大通駅。8月にホーム中央の掲示板3カ所に計6面あった時刻表が撤去された。時刻表の「跡地」にはスマートフォンのイラストと路線図、QRコードを掲示。スマホをかざしてコードを読み取ると、画面に時刻表などが現れる。

 9月16日のダイヤ改定を前に、桜通線は全21駅のホームの時刻表計120面すべてを撤去した。名古屋市北区の男性会社員(59)は「(時刻表を)探してもないのでびっくりした。自分の旧式の携帯電話では手間がかかる」と話す。

 撤去の大きな理由はダイヤ改定にかかる経費の削減だ。市交通局によると、新しい時刻表を作って設置すると生じる数百万円の経費を削減できた。駅に無料で置いていた紙のポケット時刻表も作らないという。

 市交通局は、ホームの電光掲示板で次の列車の時間を知ることができるので支障はないと説明。担当者は「スマホで確認する人も多く、最新のダイヤの情報も入手できる。反響をみて、他の路線に広げることを検討したい」と話す。

国の規程では「時刻表ノ摘要ヲ掲示スベシ」と定めているが…

 「利用者にとっては必要なものと認識している」(名古屋鉄道)、「現時点で予定はない」(阪急電鉄)など、現状通りの会社もあるが、ホームから時刻表を撤去する動きは次第に広がりつつある。

 JR東海は名古屋など約40…

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