漫画村「悪だというなら…」 服役終えた元運営者、異例の再審請求

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中山直樹

 海賊版サイト「漫画村」(閉鎖)の運営者とされ、著作権法違反などの罪で懲役3年の実刑判決を受け、服役を終えた星野路実氏(31)が22日、福岡市内で会見した。会見では、漫画村のシステムについて当時は法律で禁止されておらず、自身は無罪と主張し、再審請求する方針を示した。控訴せず確定した事件での再審請求は珍しいが、「勾留中にパソコンの利用を禁じられ、無罪を証明する証拠集めができなかった」と説明した。

 「漫画村」は2016年に開設された漫画が無料で読める海賊版サイトで、17年9月からの半年で推計約3200億円の被害(コンテンツ海外流通促進機構調べ)が出るなど、社会問題化していた。

 21年の一審の福岡地裁判決は、星野氏が17年5月、人気漫画「キングダム」516話と「ワンピース」866話の画像ファイルを漫画村のサーバーに保存し、誰でも見られるようにして作者や出版社の著作権や出版権を侵害した、と認定。広告収入によって利益を得る漫画村の仕組みを考案するなど「最も重要な役割を果たした」「我が国における著作物の収益構造を根底から破壊しかねない犯行」とも指摘し、懲役3年、罰金1千万円、追徴金約6257万円の実刑を言い渡した。

 星野氏は昨年11月に出所。現在は東京を拠点に「プログラマー」として活動しているという。この日は黒のスーツを着て出席し、「サイトのシステムは、当時の法律では違法ではなかった」と訴えた。会見はユーチューブで生配信もされた。

「法律読み、大丈夫だと思い始めた」「ビジネスの芽つむ」 会見で持論展開

 会見ではまず、漫画村のシス…

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    藤井涼
    (UchuBiz編集長)
    2023年9月23日7時1分 投稿
    【視点】

    デジタル漫画はスマホのスクリーンショット機能などで誰でも簡単にコピーできてしまい、画像ファイルのデータ量も少ないため、違法サイトが消えてもすぐに次の漫画村のようなサイトが生まれるという、いたちごっこの状態が続いています。運営者への罰則に加え

    …続きを読む