空白の新幹線、気づけば「佐賀だけ反対」 県幹部が語る切ない思い

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小出大貴 池田良 岡田将平
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 「こんな開業になるはずじゃなかった」

 9月23日で開業1年を迎える西九州新幹線(武雄温泉―長崎)で、複雑な思いを吐露する人物がいる。

 福岡、佐賀、長崎の3県をつなぐ構想で始まったが、整備手法が決まらずに未整備区間を抱える佐賀県の幹部だ。

 西九州新幹線は現状は、長崎と佐賀の一部をつなぐ全長66キロの「最短」新幹線にとどまっている。

 本州から長崎方面に行く際は、博多駅か佐賀県内で特急列車に乗り換え、その後、佐賀県内で再び新幹線に乗り換えることになる。

 国やJR九州がすすめたい整備手法に、地元・佐賀県が賛成できずにいるためだ。国と佐賀県の協議は3年で計7回開かれたが、進展はない。国も歩み寄りを見せておらず、協議がもつれれば、現在の「リレー方式」が恒久化する可能性もある。

開発断念で生まれた「佐賀だけ反対」の構図

 佐賀県の交渉役として、ここ4回の協議で国土交通省と対峙(たいじ)してきたのが佐賀県地域交流部長の山下宗人氏だ。

 「昨年9月、博多から長崎ま…

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