近江鉄道×まちづくり、プロデュースする人材を育成 連続フォーラム

林利香
[PR]

 赤字が続く滋賀県近江鉄道(本社・彦根市)を生かしたまちづくりを担う人材を育成しようと、連続フォーラムが10月から開催される。来年度に「上下分離方式」に移行する近江鉄道を題材に、「鉄道をどうするか」ではなく「鉄道でどうするか」といった視点で交通まちづくりを考える。

 フォーラムは関西大学の宇都宮浄人教授(交通経済学)が代表を務める任意団体「人と環境にやさしい交通まちづくりプラットフォーム滋賀」が企画した。団体は、大学教授ら13人が今年6月に立ち上げた。国土交通省の補助事業「共創モデル実証プロジェクト」の採択を受けて実施する。

 フォーラム「まちづくりと交通の広場しが2023」は10~12月の全4回。地方創生に長年取り組む日本総研藻谷浩介さんら有識者を招いた講演やパネルディスカッション、ワークショップを企画。まちづくりに鉄道を生かす方法を参加者で考えていきたいという。

 9月23日にはプレ企画として、市民主体の活動によって利用者が増えた、えちぜん鉄道(福井市)・福井鉄道(福井県越前市)を視察する。また、近江鉄道が10月14日に開く「全線100円乗り放題デー」のイベントへのフィールドワークも予定する。

 9月6日に県庁で開かれた会見で、団体の事務局長を務める近江鉄道の山田和昭さんは、「地域鉄道は市民と一緒にやっていかないと成り立たない。鉄道を使ったまちづくりを市民主体で考えていきたい」と話す。

 全4回の参加費は1千円。同団体のホームページ(https://yasashiikotsushiga.wixsite.com/machizukuri/blank-1別ウインドウで開きます)から申し込む。問い合わせは事務局(050・1808・3441)へ。

 団体副代表で、輪の国びわ湖推進協議会の南村多津恵さんは「沿線に住む方はもちろん、まちをなんとかしたいと考えている方と仲間になりたい」と期待している。(林利香)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません