「インスタが娘を…」答えを探した父、努力は法律となって結実へ

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ロンドン=藤原学思
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 2017年11月、英ロンドン近郊に住むイアン・ラッセルさん(60)の三女、モリーさんは14歳で自ら命を絶った。

 それから1年以上が経った19年1月、ラッセルさんは初めて、娘の死を公にすることにした。

【前回の記事】14歳の娘はなぜ亡くなったのか スマホとSNSに残された手がかり

当時14歳のモリー・ラッセルさんは亡くなるまでの半年間で、自死や自傷行為に関する約2100件のインスタグラム投稿に「いいね」を押していました。ただ、父親のイアンさんが、そうした兆候に気づくことはありませんでした。

 「インスタグラムが娘を殺す手助けをしたことに、私は何の疑問も抱いていません」

 英公共放送BBCでそう訴える様子が流されると、その衝撃は英国のみならず、国外にも広がった。しばらくは毎日のように、報道が続いた。

 「メディアに話すという決断は難しかった」。今年9月、取材に応じたラッセルさんは語った。

 「非常にプライベートな痛みを、社会と共有することになります。一度ドアを開ければ、二度と閉めることはできません。それが公にするということです」

 でも――。

 「声を上げなければ、安全なデジタル空間をつくるための変化は起きないか、遅くなると思ったんです。同じように有害なコンテンツに苦しむ若者のうち、たった1人だけでも誰かに相談できるよう、社会の意識を高めたいと」

 小さな変化が起きた。

 19年2月、インスタの責任…

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