JR北海道挑む「安全」と「経営」の両立という難題 脱線事故10年
JR函館線大沼駅構内で貨物列車が脱線した事故から19日で10年が経った。事故を発端に検査数値改ざんなど安全軽視が明るみに出たJR北海道は事故後、安全最優先の経営への転換や組織風土の改革を進めてきた。だが、その対策費用は重くのしかかり、経営再建への道のりは険しい。
JR北は19日、事故の教訓を確認する社員向けの研修会を開いた。道内11会場をオンラインでつなぎ保線部門の約660人が参加した。保線部門では、社員の6割が事故後に入社した世代だという。事故後にJR北の会長を4年間務めたJR東日本元常務の須田征男さんが講演し「鉄道経営は究極の安全がなくては成り立たない。これを守るのは社員一人ひとり、すなわち皆さんの双肩にかかっている」と力をこめた。
事故は2013年9月19日に発生。大沼駅構内で18両編成の貨物列車の6~9両目が脱線した。原因は、レール幅の異常を把握していたのに放置していたことだ。その後、レールの検査数値の改ざんも発覚した。経営が厳しくなる中で、線路の補修費用を削ったこと、収入のために安全よりも運行を優先する組織風土が背景にあった。
2年前にも脱線炎上事故
JR北は11年5月にも、石…
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