米中は「トゥキディデスのわな」にかからない? NYTコラム
ブレット・スティーブンス
数年前、ハーバード大学の政治学者グレアム・アリソン氏は「トゥキディデスのわな」という言葉を生み出した。これは「ペロポネソス戦争の真の原因は新興国アテネの台頭と、それが覇権国スパルタに植え付けた恐怖にあった」という古代の歴史家の観察に基づいている。アリソン氏は、台頭してくる大国と支配している大国との間の緊張、そして頻繁な戦争が、歴史を通じて繰り返されているパターンを把握した。その最も新しい例が、台頭してくる中国の米国の覇権への挑戦だと考えている。
興味をそそられる見解だが、中国の場合は目立つ欠点がある。今後10年、私たちが直面するであろう主な挑戦は、中国の台頭ではなく、衰退に起因する。これは何年も前から明白であったが、この1年の不動産市場の暴落で否定できなくなった。
欧米の政策立案者たちは、この事実を踏まえて考えを改める必要がある。どのようにするか。五つの「やってはいけないこと」と二つの「やるべきこと」がある。
第一に、中国の不幸を我々の幸運と思わないことだ。
イタリアからハンドバッグを…
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