鼻毛の本数、便を見守るトイレ…今年のイグ・ノーベル賞、全部見せ
人々を笑わせ、考えさせた研究に贈られるイグ・ノーベル賞の2023年の授賞式が14日(日本時間15日)、開かれた。東京大の中村裕美特任准教授と明治大の宮下芳明教授が「栄養学賞」に、国際基督教大のクリスチャン・チャン准教授らが「教育学賞」に、それぞれ選ばれた。
このほか、八つの賞が発表された。朝日新聞は受賞した研究チームや個人すべてに取材した。業績の内容や受賞者のコメントは以下の通り。
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機械工学賞「死んだクモを生き返らせ、機械的把持器具として使用」
米ライス大のダニエル・プレストン助教ら
コモリグモという仲間のクモを低温で「安楽死」させ、死体の胴体に針を刺して固定。体内の圧力を注射器で変化させることで、8本の脚を開閉させ、ものをつかむための器具として活用する方法を発明した。
クモの死体はプラスチックなどとは違い、自然の中で分解される「生分解性材料」。このため環境に優しい技術だというのがセールスポイントの一つだ。
「死」を意味する「ネクロ(necro)」という言葉と、「ロボティクス」を組み合わせた「ネクロボティクス(Necrobotics)」という新技術の開発に踏み出す第一歩だという。研究チームは「我々の祖先は(死体の)骨を道具として使ったり、毛皮を衣服にしたりしてきた。だが、生き物の死体を丸ごと動的なロボット部品にしたのは、これが初だろう」と誇っている。
https://doi.org/10.1002/advs.202201174
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