コロナの「第9波」来ている 加藤厚労相、講演で発言 注意よびかけ

藤谷和広
[PR]

 新型コロナウイルスの国内の感染状況について、加藤勝信厚生労働相は11日、大阪市内での講演で「『第9波』と言われているものが今回来ている」と述べた。コロナが感染症法の5類に移行した5月以降、感染拡大傾向が続いているが、現状を第9波だと事実上認めた。

 全国約5千の定点医療機関からの報告では、9月3日までの1週間に報告された新型コロナの新規感染者数は1定点あたり20・50人(速報値)で、5類移行後で最多となっていた。

 加藤厚労相は講演で「政府では1波、2波、3波という波を数えていない」としつつも「一般的に言えば第9波が来ている」と指摘。例年は夏に感染が拡大し、お盆の時期にピークを迎えるが、今年はまだ「ピークアウトという状況ではない」と注意を呼びかけた。その上で、今月20日から全世代を対象に始まるワクチンの追加接種について、医療機関などへ協力を求めた。

 講演では、コロナの初動対応についても振り返った。各地の保健所から厚労省に電話やファクスで報告される感染者数について、報道で伝えられる数字と「合っていないことが日常的にあった」。「感染者数すらつかめていないところからスタートし、デジタル化の遅れを痛感した」と述べ、医療DX(医療のデジタル化)を進める必要があると強調した。(藤谷和広)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません