「海なし県」でも川から海洋ごみに 旅行トランクを使って深める学び
海に流れ着いたごみを旅行用トランクに入れて展示し、海がない山梨県内の子どもたちに海洋ごみの問題を学んでもらう取り組みを県が進めている。展示用セットを小学校などに貸し出し、身近な川や湖が海とつながっていることを再認識してもらう考えだ。
11日、都留市立東桂小の廊下で「トランク・ミュージアム」が始まった。五つのトランクの中には、県内の川で拾われた生活ごみや駿河湾で見つかった県内で流通するペットボトルのラベルなどがあった。
休み時間になると子どもたちが集まり、スプレー缶や釣り糸を食い入るように見つめて「なんでこんなのが捨てられているの」と話していた。
海洋汚染の原因として深刻化している微細な「マイクロプラスチック」の問題についても解説。「山梨のごみも、雨と一緒に水路や側溝に入ってしまえば、流れに乗って川をくだり、その先は広い海」と説明している。小学5年の安留朝日さん(11)は「川でごみを見かけたら拾うようにしたい」。
展示は、都留市が県から一式を借りて企画。市内の小学校すべてで開催する。市内を流れる桂川が相模湾に注がれていることを知ってもらい、環境保護やごみ減量への意識を高めるねらいがある。
展示用セットは、環境NGO「JEAN」(東京都国分寺市)が製作した。手軽に持ち運べるため、どこでも簡単に展示できるメリットがある。県は2021年から自治体や小学校など計45団体に貸し出してきた。
県環境整備課の担当者は「海洋ごみなどの問題を解決するため、内陸の山梨県民も当事者意識を持ちたい」と話す。問い合わせは同課(055・223・1515)へ。
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