「もう無理」「生きていければ」 中国の「就職氷河期」を生きる若者
中国の若者たちが就職難に苦悩している。景気の悪化で企業が採用を絞る一方、高学歴化でホワイトカラーの仕事を求める若者が増え、競争が激しくなっているからだ。日本がかつて経験した就職氷河期のような状況のなか、若者たちは何を思い、どう生きようとしているのか、話を聞いた。
「私にはもう特に追い求めたいものはない。仕事があって、生きていければそれでいい」
この夏、希望の仕事に就けないまま重慶市の外国語大学を卒業した女性(22)は、あきらめたようにそうつぶやく。
中国では秋に新しい学年が始まる。就職活動は大学4年になるころから本格化し、女性も昨秋から取り組んだ。
だが、大学や大学院を卒業した人が今年は1158万人と過去最多を更新するなか、厳しい競争にのみ込まれた。
女性は、大学で専攻した英語を生かせる貿易関係などの仕事に関心があった。中国の就活では、志望する会社でアルバイトのように働く「実習」という仕組みがあり、参加できれば採用に有利になるといわれる。女性も申し込んだが、応募者が多かったためか、機会は得られなかった。
■面接で多く聞かれたのは………
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- 【視点】
日本の就職氷河期と中国のそれとでは若干違いがあるように思える。日本の場合は企業の採用引き締めの結果、バブル後の採用が絞られ、その時期に就職活動をしていた学生が氷河期を経験することになったが、中国における労働市場の流動性は日本より高く、これま
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