ALTが見た日本の体罰、撮影し公開 「会話で考えさせるのが教育」

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神谷毅

 中学校の職員室で男性教師が生徒を腕で突き飛ばした。肩をわしづかみにして大声で怒る。

 愛媛県新居浜市内の中学校で外国語指導助手(ALT)をしていた米国人男性は、衝撃的な光景だったと訴える。7月にALTの任期を終えたが、「このような体罰はなくなってほしい」と朝日新聞の取材に語った。

 米国人男性は2018年に来日。市内の中学校でALTとして勤務し始めた。「事件」は3年目にあった。

 男性教師が職員室の出入り口の扉近くに男子生徒たちを立たせ、そのうちの一人を壁際に突き飛ばした。さらに別の生徒の学生服をつかみ、低い声で脅していた。

 日本語が詳しく理解できず、何に怒っているのかは分からなかったが、「生徒はうつむいて怖がっている。教師に殴りかかろうとしているわけでもない。ひどい」。近くにいた他の教師たちが止めようとしなかったことにも驚いた。

一部始終を撮影 ALT仲間に見てもらうと…

 携帯電話のカメラで一部始終…

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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2023年8月23日7時15分 投稿
    【視点】

    「体罰」は暴力行為であり、怒号や恫喝はパワハラである。そのように認識できる理性や感覚も鈍りがちなほど、教育現場は威圧があふれている。 大人数の生徒や児童を日々相手にしている教員は、彼らを暴力やパワハラによって圧倒しないと「しめしがつかず」、

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    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2023年8月23日11時38分 投稿
    【視点】

    学校の暴力やパワハラは「外圧」では変わらないのでしょうか。 海外報道や国連による外圧でジャニーズ性加害問題が進展を見せるなか、記事にあるような外国語指導助手(ALT)の指摘を新居浜市の教育委員会は逆に歓迎すべきです。教育長は「(男性教師に

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