過熱する英語の早期教育、「異常な状態だ」 ある言語学者の警鐘
子どもに英語を身につけさせようと、未就学児を英語主体のプリスクールに通わせたり、英語環境の民間学童保育に小学生を預けたりする親が増えています。英語の早期教育の広がりについて慶応大名誉教授の大津由紀雄さん(言語の認知科学)は「異常な状態」と言います。話を聞きました。
――英語の早期教育についてどう感じていますか。
母語がまだ確立されておらず、自分で母語をコントロールできない子どもに、大人が英語だけの環境を人為的に与えるのはどう考えてもおかしな話です。(英語教育の過熱ぶりは)率直に言って、異常な状態だと思っています。
「子どものために」といいますが、親の傲慢(ごうまん)ではないですか。人為的に英語環境に置くことが子どもにとっていいことなのか、親は冷静に考えるべきです。
何十年も前から英語の早期教育について警鐘を鳴らしてきましたが、世の中は変わりません。子どもの心の発達にとって重要な時期を、英語でかき乱されてしまうのは子どもも親もかわいそうだと思います。
――外国語を本格的に学び始めるのは、母語をコントロールできるようになってからでも遅くはないということですか。
決して遅くはありません。極…
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- 【視点】
単に英語のネイティブスピーカーがいて英語で話しかけてくれる幼稚園よりも、近所のおじいちゃんおばあちゃんたちが日常的に遊びに来てくれて、ずいずいずっころばしとか、かごめかごめとか、日本語を深く感じることができることば遊びや歌遊びや童謡なんかを
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