PTA活動どう違う ジェンダーギャップ指数上位フィンランドと日本

今さら聞けない世界

聞き手・藤原伸雄
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 そろそろ学校の新学期が始まり、「PTA活動の当番が回ってくる」と気がかりな人もいるのでは。学校のPTA活動を負担に感じる保護者もおり、女性の社会進出を阻んでいると懸念する声も少なくない。

 日本が低迷する「ジェンダーギャップ報告書」で、毎年上位に入るフィンランド日本の教育やPTA活動はどう違うのか。

 フィンランドと日本の教育やPTA活動に詳しいヘルシンキ大学非常勤教授の岩竹美加子さんによると、PTAは米国で市民団体としてできた。米国では加入率は約20%と言われ、強制加入はない。市民が自分たちの主張をし、政府や行政に働きかけをすることが活動の中心だ。

 フィンランドの活動もそれに近い。フィンランドには「親たちの組織」と呼ばれる保護者組織がある。すべての学校にあるわけでなく、必要だと思う人がつくり、一つの学校で参加者は10~20人ぐらいだという。

 日本のPTAも加入は任意だが、学校によっては強制的に参加を求めるところもあり、岩竹さんは「同調圧力」のようなものだと指摘。個人的な意見として、PTAが特にたくさんの母親を苦しめているとみる。

 学校が親や子が苦しむ場所ではなく、ポジティブな場になることが望ましいと岩竹さんは話している。(聞き手・藤原伸雄

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    西岡研介
    (ノンフィクションライター)
    2023年9月5日8時0分 投稿
    【視点】

    インタビュイーの岩竹美加子さんが著した『PTAという国家装置』(青弓社)は、戦前の「父兄会」「母の会」の流れを汲む〝器〟に、戦後、GHQの指導のもと行われた「教育民主化」の理念が注ぎ込まれた「PTA」という奇妙な組織の性格を、歴史的背景を踏

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    末冨芳
    (日本大学文理学部教授)
    2023年9月5日8時0分 投稿
    【視点】

    日本のムラ社会の学校版・母親版がPTAという印象になってしまっています。実際、行事や卒業式で「非会員の子ども差別」に走るママたちも、近世の閉鎖的なムラ人のようで苦笑します。 「自分たちだけ頑張らされてずるい」そんな気持ちも、日本人には特に

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