第1回異次元緩和「ギャンブル性強い」「実験的な面」 封印されてきた懸念
山本恭介 土居新平
2013年4月4日午前10時23分、東京・日本橋の日本銀行本店。10分間のコーヒー休憩が終わって金融政策決定会合が再開し、黒田東彦(はるひこ)総裁(当時、以下同)が口を開いた。
「私自身は、量・質ともにこれまでと次元の違う金融緩和を行う必要があると考えている」
「分かりやすく情報発信することで、市場や経済主体の期待を転換させる必要がある。その際できることは全部やる、すなわち戦力の逐次投入はしない」
第2次安倍政権が掲げたアベノミクスの柱である、大規模な金融緩和をどう実行するか。
日銀が新たに公表した会合の議事録によると、政権に起用されたばかりの黒田氏がこう切り出すと、賛同者が相次いだ。
金融機関出身の石田浩二審議…
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