南阿蘇鉄道が7年3カ月ぶり全線再開 絶景の橋に一番列車走る

有料記事

城戸康秀 山本壮一郎 大貫聡子
【動画】南阿蘇鉄道が7年3カ月ぶり全線再開 復活した絶景のアーチ橋を列車が走る=城戸康秀、山本壮一郎撮影
[PR]

 2016年4月の熊本地震で被災し、部分運休が続いていた第三セクター南阿蘇鉄道」(本社・熊本県高森町)が15日、7年3カ月ぶりに全線(17・7キロ)で運行を再開した。

 16年4月16日の本震で、南阿蘇鉄道が走る南阿蘇村と高森町は震度6強、震度5強の揺れに見舞われた。施設の被害は、大きなものだけでも橋梁(きょうりょう)2本とトンネル2本を含む約20カ所にのぼった。

 被害が比較的少なく、約3カ月半後に復旧した高森―中松間で運行を続けながら、残る中松―立野間(10・6キロ)の復旧工事を続けてきた。

 最も難しい工事の一つは、立野峡谷にかかる第一白川橋梁(全長166メートル)だった。1927(昭和2)年にでき、同鉄道のシンボルとして長年親しまれ、土木学会の選奨土木遺産にも認定されていた。白川をのぞむ鋼鉄製の橋を2年がかりで架け替え、旧橋と同じ赤いアーチ形の姿で復活した。

 15日朝、2両編成の一番列車が対岸のトンネルを抜け出て、第一白川橋梁の上に現れた。緑の原生林に赤いアーチが映える。眼下約60メートルには岩打つ川の流れ。ゆっくり進む車窓に笑顔が広がった。

 復旧費は約67億円。被災鉄…

この記事は有料記事です。残り286文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません