合作漫画「プリニウス」完結 ヤマザキマリ、感情移入した皇帝ネロ

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黒田健朗
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 古代ローマの知の巨人を描く漫画「プリニウス」(新潮社刊)が約10年の連載を終え、全12巻で完結した。現実と幻想が入り交じった、知の探究の物語はどのように描かれたのか。合作したヤマザキマリとり・みきに聞いた。

 噴き上がる黒煙、マグマ、積もる噴石……。物語は紀元79年、ウェスウィウス(ヴェスヴィオ火山)の大噴火から始まる。「ウェスウィウスもエトナに等しく…燃える山であった…」。その様子を、悠然と口頭記述係に記録させるのが本作の主人公、プリニウスだ。政治家や軍人の顔を持ちつつ、天文や地理、動植物などを記録した百科全書「博物誌」を著した博物学者は、この大噴火で命を落とすことになる。第2話からは過去にさかのぼり、プリニウスと仲間たちの知識を求める冒険が、半魚人やウニコルヌス(ユニコーン)の登場といったファンタジー要素も交えながら進んでいく。

 古代ローマを舞台とした人気作「テルマエ・ロマエ」(2008年~13年)で知られるヤマザキが新たに選んだ題材が、もともと澁澤龍彦の著作で関心を持っていたプリニウスだった。「ローマをもっとディープに描きたいという気持ちが沸いていた」

 本作は珍しい合作の方式がと…

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この記事を書いた人
黒田健朗
経済部|総務省担当
専門・関心分野
漫画、アニメ、放送