自主避難者への「差別」の撤廃を 国連の特別報告者が日本政府に提言

宋光祐
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 東京電力福島第一原発の事故による避難者について、国連人権理事会の特別報告者は4日、ジュネーブで開かれた同理事会の会合に、日本政府が補償や支援政策で設けている自主避難者と強制避難者の区別を「差別的な対応」として撤廃することを求める調査報告書を提出した。

 特別報告者は、国連や各国政府から独立した人権問題の専門家。福島第一原発の事故による避難者の報告書は、昨年11月まで国内避難民に関する特別報告者を務めたフィリピン出身の弁護士ヒメネスダマリー氏が、昨秋に日本で当事者らに実施した聞き取り調査などをもとにまとめた。

 人権理事会に提出された報告書は日本政府に対し、「強制的な避難か自主避難かにかかわらず、原発事故によって国内で避難を余儀なくされたすべての人々に、人権に基づく保護や人道支援を断固として採用するように求める」と主張。「強制避難と自主避難の政策や法律上の差別的な区別を完全に撤廃するべきだ」と提言した。

 同理事会の4日の会合では、日本政府の担当者が報告書について「多くの事実誤認がある」と反論。「日本は復興に向けた取り組みを継続し、透明性のある方法で科学に基づいた情報を国際社会と共有していく」と述べた。(宋光祐)

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