授業に生成AI、手探りの学校現場 「使ったことない」戸惑う教員も

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植松佳香 高嶋将之 宮坂麻子 高浜行人
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 文部科学省が4日、「ChatGPTチャットGPT)」などの生成AI(人工知能)をめぐるガイドライン(指針)を公表した。すでに指針を先取りする形で生成AIを積極的に活用する学校がある一方、まだこれからという学校も多く、指針に戸惑う教員もいる。

総合学習チャットGPT活用

 「質問を各班でチャットGPTに打ち込んで」

 6月下旬、石川県加賀市の市立橋立中学校の教室で、荒木誠吾教諭が生徒たちに呼びかけた。「加賀市を魅力ある街にする」というテーマで街づくりの計画書を作る2年生の総合学習。生徒は3~4人の班に分かれ、チャットGPTから得られる原案を活用しながら計画書を作成した。

 町野恋彩(れあ)さん(14)の班は、ゴミの色を分別するAIを活用したゴミアートのイベントを計画した。チャットGPTに「いろんな人が参加できるイベントを作る計画書を作ります」「ゴミアートをします」などと箇条書きでイベント実現までの流れを入力すると、一瞬で詳細な計画書が作られた。町野さんは「いろんなことが書かれていて、すごい」と驚いた様子だった。

 授業を担当した荒木教諭は今春からチャットGPTを使った授業を始め、この日が6回目。「この先、生成AIが子どもたちの生活に入ってくることはもう止められない。生成AIを使うと人間は思考を停止すると言う人もいるが、適切な答えを引き出すために考える力が必要で、そこを教えるのが大事」と話す。チャットGPTの仕組みや適切な使い方などを教えたうえで実践に移り、出た回答をそのまま成果物としないことや、回答に誤りがないか確認して自分の言葉でまとめる重要性についても指導してきた。

 チャットGPTへの質問には…

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この記事を書いた人
植松佳香
東京社会部|教育担当
専門・関心分野
子ども、教育、労働、国際関係
高浜行人
東京社会部|教育班キャップ
専門・関心分野
学校教育、受験、教育行政