性教育の「はどめ規定」、3教委が「なくした方がいい」 朝日調査

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塩入彩 島崎周 杉原里美 武田啓亮
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性教育を問う 朝日新聞アンケート(下)

 学校現場で、性はどのように教えられているのか――。朝日新聞は都道府県と政令指定都市の計67教育委員会にアンケートを行い、今年度から始まった「生命(いのち)の安全教育」や、授業での性交の扱いについて聞いた。2回目は学校教育における性交の扱いについて。

 朝日新聞は4、5月、都道府県と政令指定都市の教委にアンケートを実施した。アンケでは「はどめ規定」への評価も尋ねた。

 小中学校の学習指導要領には、小学5年理科で「人の受精に至る過程は取り扱わないものとする」、中学校の保健体育で「妊娠の経過は取り扱わないものとする」との一文で示される「はどめ規定」がある。文科省は「(性交について)状況に応じて、個別指導を行うことは可能」とするが、「一律に指導する内容としては取り扱わない」とも説明。教育現場では「性交は教えてはならない」と捉えられがちだ。

記事後半では、「はどめ規定」への評価や、小中学生の授業での「性交」の取り扱いについて、各教委の回答を詳報しています

■割れる「はどめ規定」への評…

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この記事を書いた人
塩入彩
首都圏ニュースセンター|教育、武蔵野地区担当
専門・関心分野
ジェンダー、教育、性暴力、性教育
島崎周
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、学び、人権
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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2023年8月7日7時11分 投稿
    【視点】

    人間の生命のスタートラインにあたる「人の受精に至る過程」や「妊娠の経過」を、理由もなく「取り扱わないもの」と定めた学習指導要領はこの上なく馬鹿馬鹿しいものである。「状況に応じて」「個別指導」を行うだけでは、基本的な知識が行き渡らずまったく不

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  • commentatorHeader
    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2023年8月9日10時56分 投稿
    【視点】

    国際協力NGOプラン・インターナショナルで活動するユースたちが2年前に15 ~19 歳の男女1050人を対象に実施したアンケート調査をまとめた「ユースから見た日本の性教育の実態調査報告書」によれば、小学校から高校までの間に、妊娠や避妊、性感

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