「日本は個人情報集めやすい」 ChatGPT使うサービスの注意点

有料記事ChatGPT

聞き手・篠健一郎 村井七緒子
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 対話型AI(人工知能)の「ChatGPTチャットGPT)」を生かしたサービスが次々に生まれ、業務で使う役所や企業が増えている。個人データの扱いについて懸念が指摘されるなか、日本では法律に触れる可能性はないのか。そもそも入力した情報はどのように扱われているのか。個人データの利活用をめぐる法的問題に詳しい、STORIA(ストーリア)法律事務所の杉浦健二弁護士に聞いた。

 ――利用者がチャットGPTに入力した情報は、どんなことに使われていますか。

 「ウェブブラウザーでチャットGPTを直接使う場合と、その機能を組み込んだ外部サービスを使う場合とで、入力した情報の扱いは異なります」

 「直接使う場合、入力した情報は、チャットGPTの精度を高めるためにAIモデルを訓練する学習データに使われる可能性があります。ただ、利用者が設定を変えることで、それを拒否できる仕組みがあります。膨大な個人データの収集などが、個人情報保護法に違反する疑いがあるとして、イタリアが利用を一時停止した措置を受けて、運営会社のオープンAIは4月末、この仕組みを追加しました」

 「一方で同社は、チャットGPTの機能を外部サービスと連携する『API』と呼ばれる仕組みを公開しています。APIによって、例えばLINE上でチャットGPTと対話できるサービスなどが可能になります。同社は、こうした外部サービスを経由して入力された情報については、学習データに使わないとしています」

 ――外部サービスを提供する企業では、データはどう扱われているのですか。

 「外部サービスの提供会社も、入力された情報を得ています。それがどう扱われるかは、外部サービスの利用規約などで確認する必要があります。オープンAIも、APIデータの利用ポリシーで、APIを経由して得た情報は、不正利用の監視の目的で、最大30日間保存し、その後削除するとしています。外部サービスも含め、サイバー攻撃などによる情報流出のリスクがないとは言い切れないことから、APIを経由する外部サービスの場合であっても、プライバシー情報や守秘義務がある情報の入力はなるべく控えることが無難といえます」

日本の法律に触れる可能性は?

 ――イタリアではチャットGPTによる個人データの処理が問題視されました。日本では、法に抵触する可能性はありますか。

 「チャットGPTはインター…

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