「なんで撮ってんだ」殺気立つ被災現場 関東大震災の記録が映画に
編集委員・北野隆一
燃えさかる家並みに、山手線の線路にあふれる避難者たち。1世紀前の関東大震災の被災状況を記録した映像が残されている。現場をいち早く撮影したのは誰なのか。当時の撮影者を追ったドキュメンタリー映画が完成し、8月から公開される。
1923(大正12)年9月1日の大震災の被災状況を記録した映画フィルムは、東京・京橋の国立映画アーカイブに二十数本保存されている。井上実監督(57)と「記録映画保存センター」の村山英世事務局長(78)は、古い映像や記録をもとに関係者に取材し、映画「キャメラを持った男たち―関東大震災を撮る―」(1時間21分)に仕上げた。
新聞社は壊滅、ラジオはまだない
焦点を当てたカメラマンは3人いる。
まず岩岡巽(たつみ)さん(…
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- 【視点】
取材者・記録者は、被害の当事者からすると「よそ者」で「物見遊山」で「不謹慎」なように思われがちです。現在の災害や戦争などの現場でもそうでしょう。ただ、一歩引いた視点に立っているからこそ、このように後世に残る映像も撮れるわけです。近年流行りの
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