LRT、8月26日開業を正式発表 30年越しの実現

高橋淳
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 【栃木】宇都宮市と芳賀町などは2日、計画を進めてきた次世代型路面電車「LRT」(ライト・レール・トランジット)を8月26日に開業すると正式に発表した。県内初の路面電車で、宇都宮市は車依存社会からの転換を見据えた公共交通ネットワークの要と位置づける。

 宇都宮市の佐藤栄一市長と芳賀町の大関一雄町長、運行会社の宇都宮ライトレールの高井徹社長が記者会見して発表した。佐藤市長は「国内初の全線LRTによる新規路線の敷設という誰も経験のない事業」と意義を強調した。高井社長は「バリアフリーの交通手段として高齢者や障害を持つ方、ベビーカーの家族に利用してほしい」と語った。

 LRTは、道路に敷設したレールを走る新型の路面電車。JR宇都宮駅東口から芳賀・高根沢工業団地までの14・6キロを当面は40分台後半で結び、通勤・通学のピーク時は8分、それ以外は12分間隔で運行する。運賃は距離に応じて150~400円に設定する。

 昨年11月、宇都宮駅東口付近を試運転中に脱線事故が起きたが、市などがレールの間隔を修正するなどの安全対策工事を実施し、専門家でつくる有識者会議が安全性を確認した。

 構想は1993年に交通渋滞対策を目的に浮上し、30年かけて実現することになった。市などは路線バスなど公共交通網を結ぶネットワーク型の乗り物であるとアピールしている。将来的には宇都宮駅西口側のルートも整備し、2030年代前半には駅西側から県教育会館付近までの区間の開業をめざす。(高橋淳)

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