「産み捨てた」と批判される孤立出産 女性を追い詰める堕胎罪の存在
聞き手・田中聡子
病院に行けず孤立出産した女性が「遺棄」などの罪に問われるニュースが、後を絶ちません。なぜ女性たちが、そうした状況に追い込まれるのでしょうか。刑法の「堕胎罪」の廃止を求めて活動する大橋由香子さんは、「中絶の非犯罪化が必要」と指摘しています。
孤立出産は多くの場合、子どもの「遺棄」や「殺害」として報じられます。その時に必ず上がるのが、女性を責める声です。私はこの背景には、刑法の「堕胎罪」の存在があると思っています。
「妊娠中の女子が薬物を用い、又(また)はその他の方法により、堕胎」することと、「女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者」を罰する現行刑法の堕胎罪は、1907年から110年以上、同じ条文のまま存在し続けています。48年に優生保護法により条件付きで人工妊娠中絶が認められ、私たちは「日本は中絶できる国」だと思い込んできました。しかし日本は、「中絶できる」前に「堕胎罪のある国」だと私は感じます。
「罰」とされる中絶
孤立出産の報道で背景を知る…
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