土佐くろしお鉄道、6・9億円の経常赤字 6年連続で過去最大更新

羽賀和紀
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 土佐くろしお鉄道高知県四万十市)の2022年度決算は、経常損益が6億9743万円の赤字となり、6年連続で過去最大を更新した。運輸収入はコロナ禍前の8~9割まで回復したが、20年に導入した特急列車の法定検査の費用などがかさみ、収益を圧迫したという。

 全国旅行支援事業の再開やイベント開催の規制緩和で旅行需要が増えたことが追い風となり、営業収入は前年度比7・1%増の7億2395万円だった。一方で、資材高騰などの影響で保線作業や電気設備の工事費が高騰し、営業費用は同3・3%増の14億4402万円となった。純損益は207万円の赤字だった。

 路線別の輸送人員は、通勤通学利用の多い「ごめん・なはり線」は111万6412人と、コロナ禍前(19年度)の93%まで回復した。駅前の駐車場整備を進めたことで、通勤定期の利用者が同10%増となり堅調に推移しているという。

 観光や帰省客の利用が多い「中村・宿毛線」はコロナ禍の影響を受け、同20%減の45万6367人にとどまった。

 同社は「沿線の関係機関と連携しながら、観光振興などの地域活性化に寄与できるよう利用促進に取り組んでいく」としている。(羽賀和紀)

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