「その場しのぎ」を繰り返した原発 地下水は60年代から問題だった
編集委員・大月規義
東京電力福島第一原発から出る汚染水を、「安全」に処理して海に流すことへの漁業者らの反発。その原因をたどると、東電や国が「その場しのぎ」を続けてきた歴史が垣間見える。
おおつき・のりよし 編集委員。大阪大学大学院原子力工学専攻修了。東京電力勤務を経て1994年から朝日新聞記者。昨年から南相馬市に駐在。
汚染水の大もとは、原子炉の建屋へしみ込む地下水や雨水だ。そもそも大量の地下水の噴出は、第一原発の建設が始まった1960年代から問題になっていた。原発を安定した岩盤の上に建て、海上から楽に資材を運搬するため、地面を20メートル以上掘り下げたことが原因と言われる。地下水の発生と排水は、運転を開始した後も続いた。
2011年に事故が起きると…
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