G7首脳声明、国際保健の課題解決に向け危機感も NPOなど会見

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神宮司実玲
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 主要7カ国首脳会議G7サミット)が首脳声明を出したことを受けて、市民活動団体などの国際ネットワーク「C7(Civil7)」が21日、広島市内で記者会見を開いた。国際保健(グローバルヘルス)分野では、医薬品の「公平な分配」や医療インフラの整備などが盛り込まれたが、課題解決に十分でないとして懸念する声もあがった。

 首脳声明では新型コロナウイルスの教訓を生かし、感染症危機に対応するワクチンなどの医薬品を低中所得国へ公平に届けるための「広島ビジョン」を提示。これに対して、NPO法人「アフリカ日本協議会」の稲場雅紀さんは「このままではコロナの時と同様に医薬品がグローバルサウス(新興国途上国)に行き渡らない」と危機感をあらわにした。

 コロナのパンデミック(世界的流行)では、ワクチンが途上国に行き渡らない「ワクチン格差」の背景に知的財産権にかかわる先進国と途上国の対立などが指摘されており、G7として知財の課題に具体的な方向性を示せるかどうかが注目されていた。

 だが、ビジョンでは「公平な分配」に向けて開発から配送までの一貫したシステムの導入に取り組むとしたが、「自発的な協力に基づく」としたうえ、知財の問題に踏み込まなかった。稲場さんは「自発的ではなく、公的資金によってつくられた医薬品は知財の免除など何らかの条件をつけることで、地球規模の公共財にすべきだ」と話した。

「最も脆弱な人たちに医療が届くような支援を」

 一方、声明では日本が主導し…

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