ジャッジ、コーチが見つめた成長 人を魅了した「かなだい」の3年間
引退を発表したフィギュアスケートの高橋大輔(関大ク)にとって、4月に東京体育館で開催された世界国別対抗戦が現役最後の試合になった。
競技日程を終えたパーティー会場で、高橋は演技の審査をしたジャッジたちにこんな言葉をかけられたという。
「やっとアイスダンサーになったね」
「『シングルの高橋大輔』ではなく、アイスダンサーとして今シーズンを見ることができた」
高橋が笑顔で振り返る。
「厳しい目でこの3シーズンを見てくださったと思うので、本当にうれしかったです」
村元哉中(同)に誘われてアイスダンスを始めたのは2020年。3季目で挑んだ世界国別対抗戦は、積み上げてきた努力が実った大会になった。
特にフリーでは自己ベストを更新する116・63点をマーク。リフトの安定感が光り、演技前半の連続リフトは3・84のGOE(出来栄え点)を引き出した。
演技直後の高橋の感想に、3年間の手応えが詰まっていた。
「『今日は合わないな』という時でも動揺せず、合わないなりに修正できるようになってきた。テクニカル(技術)の部分も集中しているんですけど、その中でも『みせる』部分をやれるようになった」
3月にあった世界選手権に続く、2戦連続での納得のいく演技だった。2人の成長を感じ取った関係者は、ジャッジだけではなかった。
マリーナ・ズエワコーチだ…
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