西九州新幹線、「乗り換えあり」では「収支厳しい」 JR九州社長

小出大貴
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 JR九州の古宮洋二社長は11日の決算会見で、昨年9月に開業した西九州新幹線について、在来線に乗り換える現状の「リレー方式」では利用者が伸びず、「収支は厳しい」との見方を示した。未整備である佐賀県内の武雄温泉―新鳥栖が乗り換えなしでつながれば「収支は大きく改善する」と述べた。

 未整備区間では、整備方式をめぐって佐賀県と国土交通省が対立している。古宮氏は「(両者が)協議中で、まだJR九州が出る状況になっていない。新鳥栖までつながることを目指し、協議の場に早く参加したい」と話した。

 この日、JR九州が発表した2022年度決算は新型コロナ禍からの回復に伴う乗客や駅施設利用者の増加を受け、売上高は前年比16・3%増の3832億円、営業損益は前年の約9倍にあたる343億円の黒字と好調だった。

 だが、コロナ禍前の18年度と比べると売上高は約9割、営業利益は約5割までの水準で、回復は道半ばだ。今年度は売上高で9割超、営業利益で約7割まで回復すると見込んでいる。(小出大貴)

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