JR日南線が全線開業60周年 宮崎駅で記念出発式

森田博志
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 宮崎市鹿児島県志布志市を結ぶJR日南線が8日、全線開業60周年を迎えた。JR宮崎駅では前日の7日、「60周年記念出発式」などのイベントが開かれた。

 日南線は志布志―北郷(日南市)が1941年に開業した後、63年5月8日に北郷―南宮崎が開通して88・9キロの全線が開業した。

 60周年記念出発式では、日南線と同じ60歳の医師木佐貫篤さんが一日駅長に選ばれ、応援に駆けつけた「みやざき犬」らと南郷へ向かう「特急海幸山幸」に出発合図を出した。鉄道ファンでもある木佐貫さんは日南線の南方駅(宮崎市)近くに自宅があり、「日南線は観光列車のイメージがあるが、日常の足としてよく使っている。海も見えるし山もあるし田園風景も楽しい」などと話した。この日の特急の乗客にはメモ帳などの記念品がプレゼントされた。

 日南線は昨秋の台風14号で今年3月まで一部区間が不通になるなど、災害の影響をたびたび受けてきた。また、今春に東九州自動車道の清武南(宮崎市)―日南北郷が開通するなどして、利用者がさらに減ることも懸念される。梶尾孝利・宮崎駅長は「お客様にご迷惑をおかけすることも多かったが、そのたびに温かく見守っていただいた。少しでも多くご利用いただけるよう働きかけたい」とこれからを見据えていた。(森田博志)

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