京都市バス・地下鉄の割引、Suicaあきまへん 地元向けで再出発

河原田慎一
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 経営難に苦しむ京都市交通局が、市民向けの割引サービスを4月から始めた。観光客の利用は戻りつつあるが、経営改善には市民の利用促進が不可欠だとして、地元ならではの「お得感」をアピールしている。

 還元サービスは、市民の利用が多い交通系ICカード「ICOCA」と「PiTaPa」が対象。定期券の利用区間外で、月に一定額以上利用すると、利用額に応じて1~3%分のポイントが翌月にたまる仕組みだ。たまったポイントは1ポイント1円として、ICOCAの場合、買い物などに利用できる。

 特に、乗り継ぎをするとポイント還元率が高くなる。月3600円以上利用している人がバスや地下鉄を乗り継ぐと、1回につき最大150円分(1日2回まで)還元される。

 これまで、乗り継ぎ割引は全ての交通系ICカードを対象に最大90円の割引をしてきた。だが「割引があることを知らない観光客も得をしている」との意見があり、3月末で終了。地元向けのポイント還元サービスのみにした。

 利用開始には券売機などでICカードを事前に登録する必要がある。交通局によると、4月半ばまでに約2万2千人が登録したという。担当者は「実際にどのぐらいの利用があるか、まだ実績が出ていないが、まずは市民にサービスを知ってもらい、登録者数を増やさないと。あらゆる媒体を通じて周知していきたい」と話す。

 財政難のため、カラー印刷は「経費がかさむ」として、市職員手書きのキャラクターを描いた白黒のポスターを作製。地下鉄駅などに貼って宣伝している。(河原田慎一)

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