「熱狂的な歓迎だ」国交前、訪中新劇団の一員だった俳優の日記寄贈へ

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平山亜理
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 舞台や映画などで活躍した俳優の故・久米明さん(1924~2020)が1960年、当時はまだ国交のなかった中国に、複数の劇団で構成される代表団の一員として訪れた際の状況を記した日記などが、東京都三鷹市内の旧宅から見つかった。訪中時のその他の資料などとともに5月8日、早稲田大学の演劇博物館に寄贈される。

 見つかったのは久米さんが北京、武漢、上海、広州などを訪れた際、手帳に記した日記や議事録、領収書など。当時の周恩来首相から晩餐(ばんさん)会に招かれた際の招待状もある。長女の久米ナナ子さん(62)が昨夏、父親の部屋にあった演劇に関する遺品を整理していて見つけた。

 訪中は、日中文化交流事業の一環として、60年9月から約2カ月間、5劇団の約70人が「日本新劇代表団」として参加した。団長は劇作・演出家の村山知義、副団長には演出家の千田是也や、俳優の杉村春子らが名を連ねた。当時36歳の久米さんは演劇集団「ぶどうの会」から選ばれた。現地では、「夕鶴」や「女の一生」のほか、安部公房が執筆した「石の語る日」などを上演した。石の語る日は、群馬のクリーニング屋を舞台に、中小企業主が日米安保など政治問題に目覚めていく実話に基づくドラマだ。

つづられた現地の人との交流、公演は中国のテレビでも放映

 日記は、ペンと鉛筆で10冊…

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