自衛隊機まで800キロ 睡眠1時間で運転、決死のスーダン脱出行
集合時間は午前4時。
何としても、出発地点に自力でたどり着かなければならない。
4月23日。スーダンの首都ハルツームで、突然戦闘が始まってから1週間が過ぎていた。
4キロ先の国際空港が戦闘の最前線となり、自宅の窓から見える建物も空爆された。形だけの停戦がまもなく切れる。
スマホにメッセージが届いた。かつて日本留学へ送り出し、息子のように思っているスーダン人の青年からだ。
「RSFに止められたら、必ず止まって。でも、自分がドクターだと言ってはいけない」
自分が医師と知られれば、連れ去られ、負傷兵の手当てをさせられる可能性がある。そういう意味だと悟った。
「自衛隊機による退避を希望しますか」。川原さんのもとに現地の日本大使館から、そんな意向調査が届いたのは20日のことだ。
アフリカ北東部のスーダンで15日、政府の準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」と国軍の間で突然始まった激しい戦闘。困難を極めた在留邦人ら45人のジブチへの退避作戦は、どのように行われたのでしょうか。退避した一人で、29日に帰国した医療NPO「ロシナンテス」(北九州市)理事長の川原尚行さん(57)は、「スーダンを怖い国で終わらせないで」と訴えます。
戦闘が始まって5日が経って…
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