ウクライナのモスクワ攻撃、米が制止か 米紙報道 ウクライナは否定

ウクライナ情勢

根本晃
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 米紙ワシントン・ポスト電子版は24日、流出した米機密文書をもとに、ウクライナがロシアによる侵攻から1年にあたる今年2月24日に、モスクワを含むロシアへの攻撃を計画していたと報じた。状況の激化を懸念する米国の説得で断念したという。ウクライナ側は報道内容を否定している。

 ワシントン・ポストによると、ウクライナ国防省情報総局トップのブダノウ氏は侵攻1年に向け、情報総局の「総力を結集」し、ロシアへの攻撃を準備するよう部下に指示していた。攻撃対象にはモスクワや黒海沿岸の港湾都市ノボロシスクを検討していたという。

 米ロ間の直接の衝突につながることを懸念する米政府が説得し、ウクライナ側が「攻撃の延期」に合意した。米欧の当局者らはブダノウ氏の強硬姿勢を懸念しているという。ウクライナ大統領府長官顧問のポドリャク氏はツイッターの投稿で「なぜ我々にとって(ロシアを攻撃する)必要があるのか。このような一度きりの行動でどのような課題を解決できるというのか」と述べ、報道内容を否定した。

 ロシアでは昨年12月に、モスクワから約180キロの空軍基地が攻撃されるなど、ウクライナ軍によるとみられるドローン攻撃が続いており、情報総局の関与が指摘されてきた。

 一方、ゼレンスキー大統領は25日、ロシア軍が北東部ハルキウ州クピャンスクの郷土博物館を攻撃し、少なくとも職員1人が死亡、10人が負傷したと、SNSに投稿した。ゼレンスキー氏は「テロ国家(ロシア)は、我々の歴史や文化を破壊するためにあらゆることをする」と非難した。(根本晃)

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