特急「こうや」はまた登る 脱線から11カ月、4月29日に全面再開

松永和彦
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 大阪と世界遺産高野山を結ぶ南海電鉄の観光特急「こうや」が、4月29日から通常運転を再開する。昨年5月、和歌山県内の車庫で、「こうや」に使われる車両が脱線した影響で、本数を減らしたり一部区間で運転を見合わせたりしていたが、車両の修理や検査が終わったため、約11カ月ぶりに全面再開となる。

 昨年5月27日、和歌山橋本市の南海小原田車庫で、回送中の電車(30000系)が脱線した。この車両は高野線の特急「こうや」「りんかん」に使われるもので、脱線で車体や台車が損傷。これが原因で、高野線特急で使用する車両が足らなくなった。

 南海はこの車両不足を補うため、運行本数を減らしたほか、一時は一般の通勤車両や、難波―和泉中央間の特急「泉北ライナー」の11000系車両を、高野線特急として運行した。泉北ライナーにはその代わりに特急「ラピート」の50000系車両を充てるなど、車両修理が完了するまで工夫を凝らしていた。29日に通常運転が再開した後も、しばらくこの車両運用は続けるという。

 南海の担当者は「一部運転の見合わせ期間中はご迷惑をおかけしました。自然が魅力の高野山にはぜひ特急こうやを利用してもらえれば」と話している。(松永和彦)

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