忠犬ハチ公が縁で協定 ザ・ロイヤルエクスプレス東北の可能性も

佐藤仁彦
[PR]

 秋田県は13日、首都圏を中心に交通、不動産などの事業を手がける東急株式会社(東京都渋谷区)と包括連携協定を結んだ。県産品の販路拡大や仙台空港を経て入国する外国人観光客を秋田に呼び込む施策を広げ、地域活性化につなげる狙いだ。

 東急は、忠犬ハチ公が縁でハチ公のふるさと・秋田県大館市と交流を重ねてきた。今年はハチ公生誕100年の節目でもあり、幅広い分野で県と関係を深めることにした。同社が県レベルで連携協定を結ぶのは、新潟県に続く2例目という。

 この日、県庁を訪れた東急の高橋和夫社長は「様々な事業で培ったノウハウで関係人口の増大や社会増につながる一助にしたい」。佐竹敬久知事は「知恵をお借りし、東京圏でも(秋田県の)存在感を高めたい」と話した。

 県と東急が合意した連携分野は、観光振興や農林水産物と県産食品の販路拡大、地域とかかわりあいを持つ「関係人口」の拡大、脱炭素社会の構築に向けた取り組みなどの6項目。

 東急電鉄の車両内や渋谷駅での観光PR、系列スーパーやコンビニでの県産食品の販売を検討する。県の三セク鉄道(秋田内陸縦貫鉄道と由利高原鉄道)と、東急グループの伊豆急行(静岡県)、上田電鉄長野県)との交流も視野に入れる。

 東急の高橋社長は会見で、2020年から北海道内で運行を始めた豪華周遊列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」を紹介。「次は四国まで行く予定で、この観光列車を全国展開したい。東北とか秋田への事業展開はあり得る」と述べた。

 また、空路でタイや台湾から訪日する観光客が増えるとみて、東急などが出資し、仙台空港を運営する仙台国際空港株式会社とも連携。秋田に向かう外国人観光客を増やす施策を展開する。佐藤仁彦

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません